最近聞いた講演の中で印象的だったのは、元三重県知事で早稲田大学大学院教授の北川正恭さんと前鳥取県知事で慶応義塾大学大学院教授の片山善博さんの、国と地方の役割や改革の必要性に関する話しでした。国や役所における現状の矛盾点を遠慮なくつきながらの論調は、時折毒舌的にも感じられるところがありますが聞き手を引きつけるものが十分にあります。
北川正恭さんのHP
http://www.office-kitagawa.jp/片山善博さんの経歴
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%87%E5%B1%B1%E5%96%84%E5%8D%9A この二人にもましておもしろかったのは、県が主催した「県北・沿岸リレーセミナー」で“県北・沿岸圏域の活性化に秘策はあるか?”をテーマに講演をおこなった、日本政策投資銀行の藻谷浩介さんの講演でした。藻谷さんの話の中には随所に久慈や二戸などの市町村名や地域の街並み、地域の主力産業や伝統などがでてきます。また、二戸市の観光振興を図るには、ほとんど力を入れていない金田一温泉の魅力を高めながら快適な宿泊環境を提供すべき。金田一のネームバリューはすでに全国区(推理小説で有名な探偵・金田一耕助、TV放映中の金田一少年の事件簿)だし座敷わらしがでることでも有名、歴史的価値の高い天台寺(瀬戸内寂聴さんが住職を務めたことでも有名)とセットで観光振興を図るべき。など、市町村長がいようとズバズバものを言う方でした。
藻谷浩介さん
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%BB%E8%B0%B7%E6%B5%A9%E4%BB%8B金田一少年の事件簿
http://www.mxtv.co.jp/kindaichi/座敷わらしで有名な緑風荘
http://cgi.search.biglobe.ne.jp/cgi-bin/search_bl_top?q=%B6%E2%C5%C4%B0%EC%B2%B9%C0%F4&num=10&start=0天台寺
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%8F%B0%E5%AF%BA 印象的だった話しは、高速交通体系は“必要”とゆう認識を示しながら、統計的には整備をすれば人口が減り、住民生活は明らかに便利になるが経済的にはマイナスの方が大きいとのことです。その理由として、
@観光客は1年だけで、数年後には以前より少なくなる→宿の淘汰がすすむ
A支店営業所が大きい町に統廃合(あるいは減員)される→八戸の場合1年間で1300人人口が減少
B女性や若者が気軽に大きい町に買い物に行けるようになる→商店の淘汰がすすむ
C工場誘致の鍵は地域内労働力の有無で、高速道路が来ても進まない例がほとんど
とのことです。また、統計的に陸上交通が便利になると翌年からお客様が減るのはなぜか?については、
@時間がかからずにいけるようになるので、日帰り客が増え、宿泊客が減る→地域にお金があまり落ちない
A高速道路や新幹線が近くに出来ると、はるばる田舎にきたという風情が感じられなくなり、旅情がそがれてしまう
B「一度くらいは行ってみたい」と思っていた客層が、キャンペーン価格で価格の安い間に集中してきてしまうが、そうゆう層はその後は決してリピーターにならない
とのことでした。そこで大切なのが、
@地域地域の生活文化に支えられた、その地域でしか作れない、ハイセンスで、少量生産で、高単価のブランド商品づくり→価値あるものにはそれなりの価格をつける、安くしない(昨日話を聞いた東京のフードコーディネーターの方も同じ話しをしてました。産直とかでは原価に近い価格で売っているのでは?人件費が入ってない!)
A高齢者や貯蓄やアジアで増えている中上流層の所得を狙って、サービスを売る商売(個人客観光が狙い目)
B豊かな時代の消費者と感性を同じくする女性と若者への、現場リーダーの世代交替
が、現在人口が流入している一部の過疎地域に共通するポイントだと指摘していました。また、次代を担う人材の3つの条件として、
@自分のお金で個人客として経験を積んでいる
A若者と年長者、女性と男性の人格を完全に対等であると考えて、そのようにふるまえる
B自分だけでなく、地域全体を巻き込んで努力する
をあげていました。講演後の市町村長や議長、民間企業の方々を交えた懇談の席でも会話は弾み、日本の鉄軌道(JR・民鉄・公営交通)全線を完乗し、歩きながら地域を見て回った経験にもとづく話しに魅了され、私自身も今まで聞いた講演の中でもトップクラスで「聞いて良かったなー」と思う内容のものでした。
posted by だいすけ at 16:18| 岩手

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